VPNサービスの特徴と使い分け

VPNサービスを紹介するWEBサイトを長く運営していたため、どのVPNサービスを選べばよいのか、という質問をよく受けます。

この質問に答えるには、どのような目的でVPNを使いたいのか、それが重要になります。そこで、メジャーないくつかのVPNサービスの特徴とおすすめの目的について解説したいと思います。

目次

NordVPN

NordVPNは非常に利用者が多いVPNサービスで、これからVPNサービスを使いたいと思っている方におすすめです。おすすめポイントは次の5点です。

  • Windows、macOS、Linux、iPhone、Android向けの使いやすいアプリが用意されている
  • サーバー台数が比較的多い
  • 通信速度が比較的速い
  • 価格が比較的安い
  • 匿名化にも力を入れている

パソコンでもスマホでも専用アプリが使えて通信速度が速いので、VPNサービス選びに迷ったらNordVPNを選んでおけば失敗はしません。価格も激安ではないのですが、比較的安い方でしょう。

使い方としては、海外のWEBサービスを利用するために使うのに適していますし、インターネットで匿名性を高めるために使うのにも適しています。

NordVPNは複数のVPNサーバーを経由するDouble VPNといった機能を用意していたり、ノーログポリシーを証明するために外部機関の監査を受けて結果を利用者に公開したりしています。暗号資産でも料金を支払うことができるので、匿名性を気にする方にも適しています。

ExpressVPN

ExpressVPNは価格が高いのですが、相応のサービスを提供しています。

  • Windows、macOS、Linux、iPhone、Android向けの使いやすいアプリが用意されている
  • サーバー台数が比較的多い
  • 通信速度が比較的速い
  • ノーログポリシーを実証したことがある

パソコン用のアプリとスマホ用のアプリが同じデザインなので、とても使い勝手よいという特徴があります。海外では動画視聴に利用されることが多く、そのためか通信が安定しています。

ExpressVPNは司法機関にVPNサーバーを押収されたことがあり、その際サーバー内に利用者につながる情報が残されていなかったことから、ノーログポリシーで運用されているVPNサービスとして知られるようになりました。

他のVPNサービスと比較すると価格が高く設定されているので、あえてExpressVPNを選択する必要性はないかと思います。

Proton VPN

Proton VPNはProton Mailで有名なProtonが提供しているVPNサービスです。Protonが提供しているだけあって、信頼性という面ではナンバーワンです。VPN CafeではProtonの有料サービスを利用しておりProton VPNも利用できます。そのため、外出先の信頼できないWiFiなどを利用する際は必ずProton VPNで通信を保護しています。

Proton VPNはアプリも使いやすく通信速度もそこそこ速いので使い勝手は非常によいです。VPNサービスは海外の会社が多いため、利用するのにためらっている方は信頼性が高いProtonが提供するVPNサービスがおすすめです。

1点だけ注意して欲しいのは、Proton VPNは匿名VPNではないという点です。Protonはプライバシー保護に力を入れていますが、犯罪に対しては厳しく対応します。そのため、司法機関などから正式な要請があると利用者情報を提供します。

逆を言えば一般ユーザーの方であれば、プライバシー保護に力を入れているProton VPNは信頼性の高いVPNサービスと言えるでしょう。

Private Internet Access(PIA)

Private Internet Access(通称PIA)は日本では認知度が低いのですが、海外を中心に人気が高くわたしも利用しています。PIAのおすすめポイントは次の5点です。

  • Windows、macOS、Linux、iPhone、Android向けの使いやすいアプリが用意されている
  • サーバー台数が多い
  • 通信速度が速い
  • 価格が安い
  • 匿名性が高い

PIAはアプリのつくりが非常によくて、Linux向けにもWindowsやmacOSと同じ専用アプリが用意されています。また、サーバー台数が多くて通信速度が速いにもかかわらず、かなり価格が低く設定されているためお財布にも優しいというメリットがあります。

価格面で有利なため、わたしは専用IP(固定IP)のサービスも利用しています。安くて速くて信頼性の高いVPNサービスを探している場合、個人的にはPIAをおすすめします。

また、PIAは裁判に召喚されても利用者情報を提供しないことで知られており、アンダーグラウンドで暗躍するハッカー界隈でもPIAを利用している人々を目にします。

MULLVAD VPN

MULLVAD VPNはプライバシー保護に非常に力を入れていて、申込時にメールアドレスは必要ありません。また、支払い方法に現金を選ぶことができるので、支払い方法で追跡されることを恐れる方の強い味方となります。

捜査機関に踏み込まれた際も提供できる情報がないという理由で追い返したエピソードは有名なため、匿名性を求める方々に人気があります。

ただ、サーバー台数が少なく通信速度が遅いため、使い勝手の面ではおすすめはできません。海外の動画やWEBサービスを楽しむためにVPNを使いたい、という方はNordVPNPIAなど別のVPNサービスを選んだ方がよいでしょう。

AirVPN

AirVPNの専用アプリは非常に凝っていて、カスタマイズ性が高いことから海外を中心に玄人ユーザーからの支持を集めています。

また、AirVPNはTor経由でVPN接続するVPN over Torに対応しているため、簡単に高い匿名性を得られるというメリットがあります。VPN over Torについては下記の記事で詳しく解説しています。

note(ノート)
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まとめ

海外のサービスを利用するのは心配だな、という方は信頼性の高いProton VPNがよいでしょう。ProtonはProton MailProton DriveProton Passなどプライバシーに配慮したサービスを提供していますから、それらのサービスと組み合わせて使うと、より安全にインターネットを利用できるはずです。

ただし、Proton VPNは匿名VPNではないため、匿名性を期待する場合はProton VPNを選ばない方がよいでしょう。匿名VPNについて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

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よく分からないからメジャーなものを使いたい、そういう方はオールラウンドで使えるNordVPNがよいかも知れません。

また、通信速度が速くて安くて使いやすいVPNサービスを探しているのであれば、VPN Cafeでも利用しているPIAがおすすめです。

このように、VPNサービスにはそれぞれ特徴がありますので、試用期間があるVPNサービスであれば一度試しに使ってみるというのもよいかも知れません。

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