Lightning NetworkとBTCPay Serverの仕組み・匿名性・KYC回避まで完全解説

もしあなたが次のように考えているなら、この記事はまさにあなたのためのものです。

  • 匿名でビットコインを送りたい / 受け取りたい
  • ダークウェブのような高い匿名環境でショップを運営したい
  • Lightning Networkの動きを理解したい
  • 自分のサイトでビットコイン/Lightning決済を導入したい
  • KYCコインと非KYCコインの扱い方を正しく知りたい

ビットコインを使っている人でも、Lightning NetworkやBTCPay Serverの仕組み、そしてKYCコインを完全にクリーン化する方法を正しく理解している人は多くありません。

「Lightningは匿名と言われるけれど、本当に安全なの?」
「KYC取引所から買ったビットコインは追跡される?」
「CoinJoinを使えば匿名になるって本当?」
「Tor Onlyノードって何?」

そんな疑問を持つ人は年々増えています。

正しい手順さえ踏めば、KYCコインでも完全に非KYCコイン化でき、LightningやBTCPayを匿名で運用することが可能です。

本記事では、初心者でも理解できるように以下の内容について徹底的に分かりやすく解説します。

  • Lightning Networkの基礎
  • BTCPay Serverの仕組み
  • KYCコインをクリーン化する手順
  • CoinJoinの正しい使い方
  • ウォレットの分離
  • Tor Onlyノードによる匿名運用

KYCコインとは本人確認を行った取引所などで購入したビットコインを指します。

目次

Lightning Network とは?

Lightning Network(ライトニングネットワーク)は、ビットコインのブロックチェーンの上に乗る高速決済ネットワーク(Layer2)です。

ビットコイン決済を経験したことがあれば、次のような不満を感じたことがあるのではないでしょうか。

  • 決済が遅い
  • 手数料が高い

これらの不満を解決するために生まれたのがLightning Networkです。

なぜLightning Networkが必要なのか?

ビットコインは「価値を保存する資産」としては優秀ですが、そのまま決済に使うには遅すぎるのが現状です。

ビットコインとLightningを比較すると次のように差が歴然としています。

指標ビットコイン(Layer1)Lightning Network(Layer2)
送金速度10分~60分1秒未満
手数料数十円~数百円1円以下~ほぼ0円
小額決済苦手得意
スケール数百TPS数十万~100万TPS(理論値)

Lightning Networkの基本コンセプト

Lightning Networkの仕組みを一言で言うと「お互いがロックしたビットコインを使って、チェーン外で高速に支払いを行う」に尽きます。

チェーン外で処理することにより高速に支払いを済ませることが可能となっています。

Lightning Networkの決済の流れ

AさんとBさんが直接繋がっていなくても、Lightningネットワーク全体が「最適な通り道」を探して送金してくれます。

チャネルとは?

Lightning Networkでは、チャネル(Channel)=支払いの通路のようなものです。

  • チャネルを開く=BTC を一定量ロック(預ける)
  • チャネル内で支払い=瞬時に残高が移動

この支払いのやり取りはブロックチェーンに書き込まれません。そのため高速・低コストで取引できます。

パブリックチャネルとプライベートチャネル

プライベートチャネルとは、Lightning Networkにおける 「チャネルを開設した事実をネットワーク全体に公開しないチャネル」 のことです。

Lightning には大きく2種類のチャネルがあります。

パブリックチャネル(Public Channel)

  • チャネルを開いたことがネットワーク全体に共有される
  • 他のノードのルーティングに使われる
  • ノードアドレス(IP or Torアドレス)や容量が公開される
Lightning チャネルの 容量(capacity) とは?

Aノード ↔ Bノード の間で開かれたチャネルに 入っているBTCの総額を指します。

たとえば、あなたが0.1BTCを使って他のノードとチャネルを開くと、Lightning Network Explorer(Amboss、Mempoolなど)には、この容量が公開情報として表示されます。

容量(capacity)が公開されると何が分かる?

パブリックチャネルでは以下の情報を誰でも見ることができます。

  • あなたのチャネルにロックされているビットコインの総額
  • あなたのノードはどのくらいの額を送受信できるのか
  • あなたのノード規模
Capacityは片側の持ち分 ではなくチャネル全体の額

Lightningチャネルは、オンチェーンの2-of-2マルチシグでロックされます。そのため「チャネル全体の額(total capacity)」と「左右の持ち分(local balance / remote balance)」が存在します。

たとえば、あなたが0.015 BTC、相手が0.005 BTC、総額(capacity)= 0.02 BTCの場合は総額(capacity)の0.02 BTCだけが公開されます。

つまり、お互いの持ち分については非公開です。

なぜ容量が公開されると匿名性が下がるのか?

パブリックチャネルでは以下の情報がすべてネットワークにアナウンス(広告)され、世界中の誰でも閲覧可能となります。

すると、次のようなメタデータ解析の材料として使われる可能性が高まります。

  • このノードは0.2 BTCくらいLightningに入れてるのか
  • こことここが繋がっているから、運営者は同一人物か?
  • このノードがショップのバックエンドの可能性が高い

そのため、匿名性を保ちたい方はプライベートチャネルを利用することが多いです。

プライベートチャネル(Private Channel)

「チャネル開設はするが、ネットワークに広告(announce)しない」 チャネル。

  • ルーティングに使われない
  • 他のノードから見えない
  • チャネル容量もチャネルIDも公開されない
  • あなたと相手のノードの間だけで利用できる

つまりLightningで2人だけの秘密の支払い通路を作るイメージです。

プライベートチャネルを使うメリット

① 匿名性が高い
  • どことチャネルを開いているか非公開
  • ネットワークに一切現れない
  • チャネル容量もバレない
  • IPやTorアドレスも晒されない

匿名でLightning運用をしたい人のほぼ全員がプライベートチャネルを使います。

② 他人にルーティングを使われない(負荷が少ない)

パブリックチャネルは他人の支払いの中継に使われるが、プライベートチャネルはあなたと相手専用なので負荷ゼロ。

③ プライベートな支払いができる
  • あなた ↔ 友達
  • あなた ↔ 自分の別ノード
  • あなた ↔ 自分のBTCPay Server
  • お客とあなたの店(特別な契約時)

第三者が一切関与しない閉じた経路を作ることができる。

プライベートチャネルのデメリット

① ルーティングに使えない

ネットワークの中継に使われないので、次のようなデメリットがあります。

  • あなたのノードの収益(手数料)はゼロ
  • ノードの「重要度」は上がらない
② チャネル相手がオフラインだと使えない

相手が落ちていると支払いに使えません。パブリックチャネルなら他の経路を探してくれるが、プライベートは1対1なので経路がないためです。

③ 片側のみの支払いに向かないことがある

チャネル容量は片側に偏るので、片方向の支払いを続けると再平衡(Rebalance)が必要となります。

Lightningチャネルは両者がそれぞれ持つビットコインの「持ち分」があります。しかし、支払いが一方方向に偏るとOutbound容量がゼロになり支払いができない状態となります。

  • A → B に支払いを続ける
    →A の持ち分が減り、B の持ち分が増える
  • 持ち分がBに寄りすぎる
    →A から B へ もう支払えなくなる(Outbound容量がゼロになる)

このような状態になると再平衡(Rebalance)が必要となります。簡単にいうと支払いが偏って片側の容量が尽きたら、容量を元に戻す(バランスを回復させる)という作業です。

代表的なやり方は2つあります。

  • Lightning 内で自分宛てに支払いを流す(内部ルーティング)
  • On-chain を使う(Loop In / Loop Out)
①Lightning 内で自分宛てに支払いを流す(内部ルーティング)

Lightningネットワーク上で、自分 → 他ノード → 自分というルートを使って支払いを行うことで、持ち分を反対側に移動させる方法です。

Lightningでは「送金 = チャネル内の持ち分の移動」なので、Outboundが枯渇したチャネルに戻るようなルートを作って支払いをします。

これはLNDでもCLNでもプラグインにより自動化ができます。

②On-chain を使う(Loop In / Loop Out)

片側の容量がゼロになった場合、次のようにして片側の容量だけ補充できます。

  • Loop Out:Lightning → On-chain
  • Loop In:On-chain → Lightning

プライベートチャネルはルーティングに使われず他者のトラフィックが流れないため自然にバランシングしないため、一方向の支払いを続けると片側が枯れて手動で再平衡せざるを得ないというデメリットがあります。

プライベートチャネルがよく使われる用途

匿名Lightning運用

Tor Only ノード間でプライベートチャネルをつなぐ → 匿名性が高い

自分の複数ノードの相互接続

以下ような自分が管理する複数のノードをプライベートでつなぐ人が多いです。

  • 自宅のノード
  • VPSのノード
  • Torノード

プライベートチャネルは「アンナウンストチャネル(Unannounced Channel)」とも呼ばれる

Lightningのプロトコル上では以下のように定義されています。

  • Public:advertised channel
  • Private:unannounced channel

よくある誤解「Lightningはチャネルを毎回開く必要がある?」

EC サイトで Lightningを使うとき、顧客ごとにチャネルを開く必要はありません。理由は以下のとおりです。

  • 世界中のノードが中継してくれる
  • 最適なルートを自動で探してくれる

EC 運営者が Lightningを導入するとき、中継地点となるチャネルを1つ開くだけで世界中のユーザーとやり取りできるようになります。

Lightning Networkの決済が高速な理由

Lightning Network が高速な理由は、ブロックチェーン(Layer1)に全て書き込まないためです。

送金は以下の流れです。

STEP
最初だけブロックチェーンに書き込む(チャネル開設)

ここは手数料 & 時間がかかります。

STEP
チャネル内での支払いはオフチェーンで実行
  • 即時
  • 安い
  • 混雑に影響されない
  • 世界中のノードがリレー(中継)できる
STEP
まとめてブロックチェーンに書き込む(チャネル閉鎖)

チャネルを閉じるときに初めてチェーンに書かれる。

Lightning Network の実際の利用例

世界では Lightningを使った決済が急速に広がっています。

  • 海外EC(ビットコイン決済)
  • オンラインサロン
  • コンテンツ課金(記事、動画)
  • クリエイター投げ銭
  • 送金アプリ
  • ゲームの少額アイテム課金
  • サブスクリプション

Lightningの成長性(世界の動向)

  • アメリカでは Square(Cash App)がLightning対応
  • マイクロソフトやDiscordも実験中
  • アフリカでは送金手段として普及
  • エルサルバドルでは国全体が Lightning対応店舗を拡大
  • 海外で Lightning-as-a-Service(LaaS)が急増

今後、日本でも需要が高まる可能性があります。

LNDとCLNの違い

Lightningには主に2つの実装があります。

比較項目LND(Lightning Labs)CLN(Core Lightning)
特徴最も利用者が多い軽量・高速
UIThunderhub, RTL など GUI が豊富CLI + plugin 方式が強力
安定性大規模ノードで実績多数メモリ効率が良く安定
拡張性使いやすい高度な自動化に向く
初心者向け△(上級者向け)

とりあえずLightningを使ってみたい、という場合はLNDがおすすめです。

Lightningが匿名性を高めやすい理由

匿名性を高めたい場合、Lightningの利用を検討するのはよいことです。

理由①送金がブロックチェーンに記録されない(オフチェーン)

通常のビットコイン(オンチェーン)は以下の情報が公開台帳として半永久的に残ります

  • 送金金額
  • 送金先
  • 送金者のアドレス
  • 残高の移動

しかしLightningでは、支払いはチャネル内部で完結し、オンチェーンには書かれません。そのため、以下の情報は第三者には一切見えません。

  • 誰とやりとりしたか
  • いくら送ったか
  • どのノードからどのノードへ流れたか

このため、匿名性の観点で有利に働きます。

理由②ルーティングノードを経由するため送金経路が秘匿される

Lightningの支払いは中継ノードを経由します。しかし中継ノードは以下の情報を完全に知ることはできません。

  • 誰から送金が来たか
  • 次の相手が誰か
  • 最終目的地は誰か
  • 本当の金額はいくらか(手数料分しか知ることができない)

なぜならLightningはOnion Routing(多層暗号)を採用しており、Torと同じ多層暗号化でルーティング情報が秘匿される仕組みだからです。

理由③オニオンルーティング(多層暗号化)による匿名性

Lightningのルーティングは「Sphinx」という方式で暗号化されており、中継ノードはルート全体を知ることができません。

中継ノードが知ることができるのは以下の情報です。

  • 自分に送ってきた前のノード
  • 自分が送る次のノード

つまり支払いの始点(あなた)と終点(相手)を同時に知るノードは存在しません。これがLightningの匿名性の核です。

理由④Tor Onlyで運用できる

LightningノードはTor Hidden Service(.onion)として動作可能です。そのため、次のようなメリットがあります。

  • ノードのIPアドレスが完全に隠れる
  • 地理情報が露出しない
  • ISP・VPS事業者に通信内容が漏れない
  • 攻撃者がノードの場所を特定できない

Lightningの中継・チャネル・バックエンド通信などをすべてTorで行うことで、強力な匿名性を実現できます。

Lightningの匿名性が高い部分と弱い部分

完全匿名の技術は存在しないため、Lightningも万能ではありません。

Lightningの匿名性を正しく理解するにはどの部分が匿名で、どの部分が匿名ではないかを切り分ける必要があります。

◎匿名性が高い部分

区分匿名性
送金の内容完全に外部から不可視
送金経路(どのノードが関与したか)秘匿される
ユーザー同士の関係第三者は追跡不能
Tor OnlyノードIPが露出しない

△匿名性が弱くなる可能性がある部分

区分匿名性が弱くなる理由
チャネル開設(オンチェーン)どことチャネルを開いたかが記録される
チャネル閉鎖(オンチェーン)資金の返却先が公開台帳に記録される
ノードID公開鍵(PubKey)が公開される

特に注目すべきは「チャネルの開設や閉鎖がオンチェーンに書き込まれる=匿名性に影響するのか?」という点です。

チャネルを閉じる時にオンチェーンに書かれると匿名性が下がるのか?

結論から書くと、ケースによりますが、適切に運用すれば匿名性は維持できます。

チャネル開設/閉鎖では「相手ノードの情報」は書き込まれない

ここが最大の誤解ポイントです。オンチェーンに書かれるのは以下の内容です。

  • チャネル用のマルチシグアドレス
  • そのアドレスを解体した(閉鎖した)という事実
  • 返金先のビットコインアドレス

しかし、相手ノードのPubKeyやノードIDはオンチェーンに書かれません。

そのため、オンチェーンの記録からチャネル相手を特定することは基本的にできません。つまり匿名性が大きく崩れるわけではありません。

匿名性が低下する可能性があるケース

ただし例外があります。

ケース①:あなたのオンチェーンアドレスがKYC取引所と紐づいている

以下のような場合、取引所がIPや本人情報を持っているため匿名性は失われます。

  • BinanceやbitFlyerから送金したウォレットでチャネルを開いた
  • チャネル閉鎖時の返金先が取引所アドレス
ケース②:あなたのノードがClearnet(IP公開)で運用されている

IPアドレスから追跡される可能性があります。

ケース③:ウォレットのUTXOを混在利用している

複数のチャネルを同じオンチェーンアドレスで開くと、同一人物と推測される可能性があるため、UTXO管理が極めて重要です。

そもそもUTXOとは?

まず言葉からいきましょう。

UTXO = Unspent Transaction Output(未使用のトランザクション出力)

まだよく分からないですね。

ビットコインというのは「銀行口座の残高」ではなく「たくさんのコインの束」です。よくある誤解として次のようなものがあります。

0.5BTC持っている=1つの口座に0.5BTC入っている

実際にはそうではなく、次のように複数のビットコインの束になっています。

  • 0.1 BTCのコイン
  • 0.2 BTCのコイン
  • 0.2 BTCのコイン

これらの合計が0.5 BTC ある、みたいなイメージです。

この「0.1 BTCのコイン」「0.2 BTCのコイン」ひとつひとつがUTXOです。

もう少し身近にすると、財布の中に「1,000円札が3枚」「500円玉が2枚」入っている=4,000円になりますが、この「1,000円札1枚」「500円玉1枚」が、それぞれUTXOにあたります。

UTXO とアドレスと履歴の関係

  • 1つのアドレスに複数のUTXOがくっつくことがある
  • 1つのUTXOは、どのトランザクションのどの出力かが完全に記録されている
  • その履歴は、ビットコインのブロックチェーン上で誰でも見ることができる

ここがポイントでどのUTXOがどこから来たのか(どのアドレスと一緒に使われたか)を辿ることで、
「この人の持ち物っぽい」と推測されてしまう
、これがプライバシー・匿名性の弱点です。

なぜ「UTXO管理」が匿名性に直結するのか?

Lightningやプライバシーの話でUTXO管理が重要なのは「別々にしておきたいビットコインが、ウォレットの都合で勝手にまとめて使われてしまう」からです。

たとえば、KYC取引所とプライベート用資金を混ぜてしまうケースがあります。

  • A:取引所(本人確認済み)から 0.3 BTC を出金
  • B:個人的にコインジョイン等でプライバシーを高めた 0.2 BTC
  • どちらも同じウォレットに入れた(=同じウォレットのUTXOになった)

その後あなたが 0.4 BTC を送金したとき、ウォレットが自動で次のようにまとめてしまう可能性があります。

  • Aの 0.3 BTC UTXO
  • Bの 0.2 BTC UTXO

こうなると、取引所から見ると「AさんはBのUTXOも持ってるんだな」と推測可能になってしまいます。

つまり、せっかく分けていたビットコインが、実は同一人物だったとバレることになります。

LightningとUTXOの関係(ここが重要)

Lightningチャネルを開くときも、必ず1つ以上のUTXOを使って資金をロックします。

  • このUTXOを使って2-of-2のチャネルを作る
  • チャネルが閉じると、そのUTXOが「別のUTXO」に変わって返ってくる

そのため以下の2つの管理が甘いと、Lightningの匿名性も一気に落ちることになります。

  • どのUTXOでチャネルを開いたか
  • チャネルを閉じた後のUTXOをどこに送ったか

じゃあどうすればいいのか?UTXO管理の基本ルール

ここからが初心者向けの「実践的な守り方」です。

ルール①:「財布」を分ける感覚を持
  • 取引所からの出金用ウォレット(KYC付きの世界)
  • プライバシー重視のウォレット(Lightning用・匿名支払い用)

この 2つは絶対に混ぜないのが基本ルールです。

ルール②:「どこから来た UTXO か」をラベル付けしておく

対応しているウォレットなら、UTXOやアドレスにメモを付けましょう。

  • bitFlyer出金 20XX-MM-DD
  • LNチャネル閉鎖戻り
  • 匿名用ウォレットに移動済み

これをやっておくと「このUTXOはKYCから来てるから、Lightningチャネルには使わないほうがいいな」という判断が簡単にできます。

ルール③:Coin Control(コイン選択)機能を使う

ウォレットが勝手に「適当に UTXO を組み合わせて支払う」のを止める機能です。

  • どのUTXOを使って支払うか
  • どのUTXOは触らないでおくか

これらを自分で選ぶことができるようにしておくと次のような使い分けができます。

  • KYCから来たUTXOは KYC側だけで使う
  • プライバシー側UTXOはプライバシー用途だけに使う
ルール④:アドレスの再利用を避ける
  • 同じアドレスに何度も入金を受ける
  • Lightningチャネル閉鎖の受け取り先も同じ住所にする

これらは履歴が一本線でつながっていく行為です。

可能な限り次のような工夫をすると分析されにくくなります。

  • 受け取りアドレスは毎回新しくする
  • 「Lightningチャネル閉鎖専用の受け取り用アドレス群」を用意する
ルール⑤:流れを「一方通行」に意識する

プライバシーを重視するならば次のように一夫通行にしておきます。

  • KYC → プライバシーウォレット → そこで完結

以下のように逆方向に戻さないのが鉄則です。

  • プライバシー側で使った UTXO を、再び KYC取引所に戻す
  • そこでまた売買する

これをやると、取引所はプライバシー側の動きも含めてあなたの資金として認識してしまいます。

Lightningで匿名性を高める上での「UTXO管理」のポイントまとめ

Lightning + 匿名性という観点に絞ると、まず意識すべきポイントはこの4つです。

  • チャネル開設に使うUTXOは、KYCと分離されたウォレットから出す
  • チャネル閉鎖の戻りUTXOも、同じプライバシー用ウォレットで受け取る
  • UTXOにラベルを付けて「このコインはどの世界のものか」を区別する
  • ウォレットの自動お任せにしないで、Coin Control機能があるウォレットを選ぶ

この4つだけでも運用がかなり変わります。

KYCと分離されたウォレットとは?

ビットコインを使って匿名性を高めたい場合、KYCと分離されたウォレットを用意する必要があります。

手順はそれほど難しくありませんが、手間がかかります。

Wasabi Walletを用意する

Wasabi WalletはTorでIPアドレスを隠したり、CoinJoinする機能が備わっています。

ここでウォレットを3つ作成してください。

  • ウォレットA – KYCアドレスからの受取用
  • ウォレットB – CoinJoin用
  • ウォレットC – クリーンなウォレット

これらのウォレットは厳格に使い分けをしなければなりません。

STEP
KYCウォレット → ウォレットAへ送金
  • Wasabi Walletのアドレスはあなたの名前と紐づかない
  • 送金元は KYCだが、送金先は匿名
  • チェーン上では「KYCアドレス→ 匿名アドレス」に見える

できるだけまとまった金額を少ない回数で送金することをおすすめします。少額の送金を繰り返すのはおすすめできません。

STEP
ウォレットA → ウォレットBへ送金

面倒ですが、ウォレットAからウォレットBへ送金します。

ビットコインの流れを分析する企業や研究者などは以下の情報を検出します。

  • Wasabiのパターン
  • Wasabiの署名方式
  • WasabiのCoinJoin参加傾向
  • Wasabi使用者としての特徴

つまりKYCユーザーがWasabi Walletを使っているとラベリングされます。

しかし、ウォレットA→ウォレットBの流れはウォレットAの持ち主がWasabi Walletユーザーとしか見えなくなるため、KYC本人との関係性が薄くなります。

STEP
BウォレットでCoinJoinを複数ラウンド実行

単発のCoinJoinは追跡されやすいので、複数ラウンドのCoinJoinを実行します。

  • 額が均質
  • 新規アドレス
  • 他人のUTXOと完全に混ざる
  • 元のUTXOとリンク不能

これにより、UTXO単体としては KYC痕跡が完全に消えます。

STEP
CoinJoin後のUTXOを「ウォレットC」へ送金

ウォレットCへの送金は「匿名UTXO → 別の匿名アドレスへ送金」にしか見えない状態となっています。

STEP
ウォレットCで再度CoinJoin

これによって匿名性は劇的に高まります。企業レベルのChainalysisでも、ほぼ復元不可能なレベルまで匿名性が上がります。

特に Lightningチャネル開設に使う場合はこの再CoinJoin工程が必須です。

STEP
ウォレットCのUTXOを「二度と汚さない」

クリーンUTXOを生成したら、絶対に以下をしてはいけません。

  • ウォレットCにKYCコインを送る
  • ウォレットCに他の混ざったコインを入れる
  • ウォレットCとA/Bウォレット間を行き来する
  • ウォレットCでClearnetノードへ送り Lightningチャネル開設
  • ウォレットCからKYC取引所へ送金

どれか1つでもやれば、すべて再リンクされ匿名性が失われます。

これらの作業によってビットコインを以下のような状態に保つことができます。

  • 支払いはオンチェーンに載らない
  • ルーティングノードもあなたの情報を知らない
  • チャネル開設時のトランザクションもクリーン
  • 履歴は他人のUTXOと完全に混ざっている

Lightningをこの状態で使えば、匿名性としては世界最高レベルです。

Lightningのよくある疑問・質問

Lightning Networkとは、そもそも何ですか?

ビットコインを速く・安く・匿名で送金できる第2層ネットワークです。

Bitcoin本体(Layer1)の欠点である

  • 送金が遅い(10分)
  • 手数料が高い

といった課題を解決します。

Lightningを使うには、チャネルを毎回開く必要がありますか?

ECやサービス側は最初の1本だけ開けばOKです。

Lightningは世界中のノードが中継してくれるため、店側が顧客ごとにチャネルを開く必要はありません。

  • チャネルは一度開けばずっと使える
  • 顧客はチャネルを開く必要がない
  • 世界中のLightningノードを経由して支払いされる

つまりEC店は 1〜2本のチャネルがあれば十分です。

チャネルって何ですか?

支払いの通路(口座)のようなものです。

Lightningチャネルは以下のような仕組みです。

  • 2人の間でBTCをロックして作る「通路」
  • その中で瞬時に残高をやり取りできる

銀行の共同口座と考えるとイメージしやすいです。

チャネルは自動的に閉じますか?

基本的には閉じません。必要になるまで開きっぱなしでOKです。

  • 自動で閉じない
  • 好きなときに手動で閉じる
  • 強制終了(Force close)は異常時のみ

普通は年単位で開きっぱなしです。

チャネルを閉じるとどうなるの?

そのチャネルにロックされていたBTCが、あなたのオンチェーンアドレスに返ってきます。

種類説明手数料時間匿名性
Cooperative closeお互い合意の元で閉じる安い早い普通
Force close片方が落ちた/トラブル高い遅い少し目立つ

通常は Cooperative close(通常閉鎖) です。

Lightningの送金は匿名なんですか?

送金内容は完全に非公開ですが、匿名運用にするには工夫が必要です。

Lightning送金が匿名性が高いと言われるのは以下のような理由です。

  • オンチェーンに記録されない
  • 中継ノードも前後の1ホップしか知らない
  • ルート全体は誰にもわからない

確かに匿名性は高いですが以下のような注意点もあります。

  • チャネル開設/閉鎖はオンチェーンに記録される
  • ノードがClearnet公開だとIPはバレる

最も匿名性が高いのは Tor Only + 非KYC UTXO管理 + プライベートチャネル の組み合わせです。

プライベートチャネルとは何ですか?
Lightningの残高とBitcoinの残高は別物ですか?

技術的には同じBTCですが、「モード」が違います。

Bitcoin(オンチェーン)

普通の送金。10分かかる。

Lightning(オフチェーン)

チャネル内の残高。瞬時に動く。

チャネルを開くときに、オンチェーンのBTCがLightning用に移動します。使わないならチャネルを閉じてオンチェーンに戻せます。

Lightningの手数料はどれくらいですか?

だいたい数円〜数十円。ほとんど0に近いです。

手数料の内訳は次のとおりです。

  • ルーティングノードへの手数料
  • チャネル内の更新にかかる手数料

どちらも非常に小さいため、従来の決済とは比較にならないほど安いです。

Lightningの送金って失敗することはありますか?

たまにありますが、多くは流動性不足が原因です。

送金失敗の理由
  • 送り手 or 受け手のチャネルに十分な流動性がない
  • 中継ノードがオフライン
  • ルートが見つからない
  • 受け取り側のウォレットが古い
解決策
  • チャネルを太くする(容量を増やす)
  • 複数チャネルを開く
  • 受け取り側にInbound流動性を用意

ECがLightningを使うときは事前に受け取り用チャネルを1本準備しておくのが一般的です。

Inbound 流動性って何ですか?

「受け取れるだけの空き容量」のことです。

Lightningは「通路の中の残高」を動かすため、受け取る側にも容量が必要です。

たとえば、あなたのチャネルに「あなた側の残高」ばかりだと、相手から送金されるための空きがありません。

そのため次のような対策をします。

  • アンカーとなる大きなノード(LNBIG等)とチャネルを開く
  • サードパーティのチャネルサービス
  • 資金のある相手にチャネルを開いてもらう

ECやサービス提供者の多くは最初に「Inbound流動性」を確保しておきます。

Lightningノードは常にオンラインにしておく必要がありますか?

基本は24時間オンラインが前提です。

Lightningノードがオフラインになると次のような問題が発生します。

  • 支払いを受け取れない
  • Force closeになる可能性
  • セキュリティリスク(悪意ある相手の不正送金)
Lightningノードのバックアップはどうすればいい?

LND/CLN共に、バックアップ機能は用意されていますが完璧ではないのが現実です。

代表的なバックアップ方法は次のとおりです。

  • LND:Static Channel Backup(SCB)
  • CLN:BKPファイル + データディレクトリ

最新のバックアップが必要であり、古いバックアップでは資金を取り戻せないことがあります。

BTCPay Serverとは?

BTCPay Server(ビーティーシーペイサーバー)は、ビットコイン・Lightning決済を自分のサーバーで動かせるオープンソースの決済システムです。

StripeやPayPalの「ビットコイン版」と言えますが、最大の特徴は3つあります。

BTCPay Serverの3つの特徴

① 完全自前で運用できる自由な決済インフラ(検閲されない)

BTCPay Serverは自分自身が完全に所有し、管理できる決済システムです。

  • 決済代行サービスへの依存ゼロ
  • アカウント停止なし
  • 資金凍結なし
  • 国や会社の規制の影響を受けづらい
  • サーバー上で全データが完結

つまり、PayPal・Stripe・Squareのような中央管理型の決済とは違い、誰にも止められない決済インフラを自分で持つことができます。

②手数料ゼロでビットコイン&Lightning決済を受け取れる

BTCPay Serverは完全無料・手数料ゼロです。

③Bitcoin(オンチェーン)も Lightningもどちらも受け取れる

BTCPay Serverはビットコイン関連の決済方式をすべて統合できる総合ゲートウェイです。

  • オンチェーン決済
  • Lightning Network 決済(LND/CLN)
  • LNURL
  • Boltカード
  • Payjoin
  • 寄付ページ生成(Donation Page)
  • WooCommerce / Shopify と連携
  • 請求書の自動生成

1つのBTCPay Serverで「ビットコイン決済の全部」ができるというのが最大の利点です。

BTCPay Serverの「できること一覧」

BTCPay Serverは単なるビットコインの支払い受付ではなく、決済に必要な機能がすべて揃ったプラットフォームです。

1. 請求書(Invoice)の生成

BTCPay Serverの中心機能です。

  • 一度きりの請求
  • サブスクリプション的な自動請求
  • 顧客に支払い画面を表示
  • 期限付きの支払いリンク
  • メール送信も可能
  • 決済完了後にWebhookを飛ばせる
2. ECサイトにビットコイン決済を導入

WooCommerce(WordPress)のBTCPayプラグインを入れるだけで、WordPressショップが Lightning対応EC に即変身します。

Shopifyも外部ゲートウェイとして接続できます。

プログラミングの知識があれば、自分のWEBサイトにAPIで簡単に統合できます。

3. Lightning Network対応(LND・CLN対応)

BTCPay Serverは、あなたのLightningノードに接続して動作します。

LNDとCLNの両方に対応しているため、初心者〜上級者まで使えます。

4. 決済の自動化(Webhook / API)

支払い完了時に以下のようなことができるので、Stripeのような自動課金システムを自前で構築できます。

  • あなたのサーバーにWebhooksを送信
  • ユーザーのアカウントを自動で有効化
  • 商品の自動発行
  • NFTやライセンスキーの自動配布
5. 複数店舗・複数ウォレットを管理

BTCPay Serverではこれらを1つのサーバーで扱うことができます。

  • 複数店舗
  • 複数ウォレット
  • 複数Lightningノード
  • 役割別のスタッフアカウント
  • Web管理画面
6. 寄付・投げ銭ページの生成(Donation Page)

初心者の方でもこれらの機能をすぐ使えます。

  • Lightning/Bitcoinで寄付を受け付け
  • QRコードを表示
  • 任意の金額も、固定金額も対応
7. ウォレット機能(オンチェーン管理)

これらの機能が備わっています。

  • トランザクション確認
  • UTXO管理
  • 新しい受け取りアドレスの生成
  • 支払い送信
  • マルチシグ等への統合
8. 高度な機能(開発者向け)
  • Greenfield API
  • Store Webhook
  • Payment Request API
  • Lightning WebSocket
  • ライセンス不要
  • 完全セルフホスト

BTCPay Server を導入する理由(メリット)

1. 第三者に依存しない(検閲耐性)

一般的な決済サービスは次のような問題があります。

  • 取引内容が監視される
  • アカウント停止のリスク
  • 国の規制で利用不能になる可能性

しかし、BTCPay serverを使うと完全に自分のサーバー上で動くため、誰にも止めることはできません。

2. 手数料ゼロで決済できる

Stripe・PayPalで2〜5%の手数料がかかるケースでも、BTCPayなら0円で済みます。

3. Lightningを活用できる(高速・匿名)

Lightning Network と組み合わせることで、以下のような従来の決済方式にはない利点が得られます。

  • 1秒未満の決済速度
  • 手数料ほぼゼロ
  • 小額決済が得意
  • Tor Onlyによる高い匿名性
4. 法規制を避けられる

国ごとの規制が入る可能性があるサービスでも、BTCPayなら以下のような問題を回避できます。

  • アカウント閉鎖
  • 決済停止
  • 政府による監視

もちろん合法の範囲でですが、規制リスクが致命的な事業では大きな武器になります。

5. 世界中のユーザーからビットコイン決済を受けられる

インターネット上でビジネスをするなら、国境を越えた決済は強いメリットになります。

  • 海外ユーザー
  • 海外からの寄付
  • 国によっては制裁下の地域からの支払いも可能
6. Stripeのような自動化が自前で可能

BTCPay Serverは Webhook/API が強力なので、以下のような機能を完全自動化できます。

  • サーバーの自動構築
  • サブスクリプション
  • 会員登録の自動有効化・停止
  • デジタル商品の自動配信
7. オープンソースで無料・かつ最先端

大企業レベルの決済基盤を無料で使えるのは非常に魅力的です。

  • ライセンス料なし
  • 手続きなし
  • ベンダーロックなし
  • 世界的に有名なオープンソースプロジェクト
  • Lightning Labs や Blockstream も利用

BTCPay serverに関するよくある疑問

BTCPay Server って何ができるんですか?

クレジットカードやStripeのような決済システムを、自分のサーバーで完全に運用できます。

  • ビットコイン/Lightning決済の受付
  • 請求書(Invoice)発行
  • ECサイト(WooCommerceなど)と連携
  • 寄付ページの自動生成
  • Webhook/APIでサービスの自動化
  • サブスクリプション課金
  • Lightningノードとの統合(LND/CLN)
手数料は本当にゼロなんですか?

BTCPay Server が取る手数料は完全にゼロです。支払いに使われるのは Bitcoin / Lightningのみ。
中央の決済代行サービスではないため、以下のような心配がありません。

  • 審査
  • 月額費用
  • 手数料
  • アカウント停止
  • 売上凍結
導入するメリットは何ですか?

一番のメリットは「検閲されず自由な決済を受け取れること」です。

  • 世界中から誰でも決済できる
  • 取引停止をされる心配がない
  • 高額決済でも決済手数料がゼロ
  • 小額決済(1円未満)にも強い
  • Lightningで即時着金
  • 匿名性を高められる(Tor Only)

特に規制の影響を受けやすい業界や海外との取引が多い事業者に強いメリットがあります。

BTCPay Server を使うためには技術が必要ですか?

一般的には「そこそこ高度」な技術が必要です。

  • VPS(Linux)
  • Docker
  • Bitcoin Full Node
  • Lightning Node(LND/CLN)
  • HTTPS証明書
  • ドメイン設定
  • Tor(任意)

初心者がゼロから構築するのは難しいため、構築済み環境を使うのが最も現実的です。

Lightningだけ使いたいのですが、BTCPay Serverは必須ですか?

Lightningのみの受け取りも可能ですが、BTCPay があると圧倒的に便利です。

Lightningノード単体では以下のようなことができません。

  • 請求書作成
  • 決済画面の提供
  • ECとの連携
  • Webhook
  • API連携

Lightningを「サービス」で使うなら、BTCPay Serverとセットで使う方がよいでしょう。

ノードを自分で運用する必要がありますか?

原則必要です。

BTCPay Serverは以下のシステムと一緒に動きます。

  • Bitcoinノード
  • Lightningノード
  • NBXplorer

そのため、VPSでBitcoin + Lightning + BTCPayを構築する必要があります。

ただし自前構築が難しい場合、構築済みノードのレンタルサービスを利用する方法もあります。

どの Lightning実装に対応していますか?(LND / CLN)

LND も CLN も完全サポートしています。

  • 初心者 → LND が圧倒的に使いやすい
  • 上級者 → CLN は軽量で自動化に強い

どちらを選んでもBTCPay Serverは問題なく動作します。

TorでBTCPayを動かせますか?

完全にTor Onlyで運用できます。

Tor Only にすることで以下のようなことが可能になります。

  • サーバーのIPアドレス非公開
  • ノードの位置情報も隠れる
  • 匿名性の確保
  • 特定国からのブロックを回避
  • 追跡されにくい決済環境を構築

海外のプライバシー重視ユーザーはほぼTor Onlyで運用しています。

BTCPay Serverを使うデメリットはありますか?

デメリットもあります。正しく理解しておきましょう。

  • 初期構築が難しい
  • VPSコストがかかる
  • ノードの同期に時間が必要
  • Lightningの運用知識(チャネル・UTXO管理)が必要
  • セキュリティ事故のリスク(自己責任)

「自由と独立を得る代わりに自分で管理する」という哲学が必要です。

サーバーが壊れたらどうなりますか?

バックアップしていない場合、資金を失う可能性があります。

特にLightningは以下のものを適切にバックアップしておく必要があります。

  • 秘密鍵
  • Macaroon
  • Static Channel Backup (SCB)
  • channel.db
日本でBTCPay Serverを使っている事例はありますか?

非常に少ないです。

海外では以下のような導入事例が多くありますが、日本での導入事例は極端に少ない状態です。

  • ECショップ
  • クリエイターサイト
  • メディア
  • ホスティングサービス
  • SaaS
  • VPN
  • デジタル商品販売
ECサイトと組み合わせて自動販売できますか?

BTCPayは自動化が最大の強みです。

  • WooCommerce連携
  • API/Webhook
  • 決済完了後の自動処理
  • ライセンスやファイルの自動配信
  • 会員登録ページの自動有効化

Stripeと同等のことが、手数料ゼロで実現できます。

Lightningだけで寄付ページを作れますか?

BTCPayのDonation Pageが最速です。

  • 自動生成の寄付ページ
  • QRコード表示
  • 固定額・任意額に対応
  • そのままSNSに貼れる

初心者でも数分で作成できます。

さいごに

BTCPay ServerやLightningは非常に魅力的ですが、自前でサーバーを運用するにはある程度のスキルを必要とするため、多くの方は利用を断念してしまうのではないか、そう思っています。

そこで、VPN CafeではBTCPay ServerとLightningノードを提供するサービスの準備を進めており、以下のサーバーを利用できるようにする予定です(時期未定)。

Tor版 Bitcoind + BTCPay Server

BitcoindとBTCPay Serverがインストールされたサーバーで、Torで通信する匿名性の高いサーバーです。

Lightningは含みません。Lightningを使いたい場合は、自前のLightningノードと接続するか、VPN Cafeが提供するTor版Lightningノードと接続できます。

Tor版 Bitcoind + Lightningノード + ThunderHub

BitcoindとLightning(LND)ノード、そしてThunderHubがインストールされておりTorのみで動作する匿名性の高いサーバーです。

まずはTor版の提供から始め、次にクリアネット版の提供を始める予定です。

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